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この国は水資源が豊富です。
これをエネルギーに利用したダムなどの水力発電はとてもよく知られている。
これらの一次エネルギー全体に占める割合は現在3.4%と小さい、
しかし純国産という観点から見ると、
国産エネルギー全体に占める割合は61.4%と大半を占めている。
また、運転中に窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を排出しないだけでなく
石炭や石油等を利用した発電とは比べ物にならない程Co2の排出量が少なく
加えて原子力発電所の1/3しかCo2を出さない再生可能クリーンエネルギーです。
その中でも100kw以下発電のマイクロ水力発電〈小水力発電〉は、
運転時にほぼまったくといっていいほどCo2やその他の有害物質を排出しない。
そしてダム程の規模を必要としない、このマイクロ水力発電が可能な小さな川や用水路は、
適用可能な立地場所が数限りなくあることが分かってきた。
100kwh程の電力を作り出すとは、どういう事か。
国内の一般家庭の月平均電力消費量は300kwh程なので、
この装置が24時間フル稼働した場合
計算上は一日に240世帯分の電気をまかなえるという事になる。
実際100kwを生み出せるマイクロ水力発電装置は
土地も含めてあまり無いようだが、
仮に一基がもっと小さな電力しか発生しなかったとしても、
いまやメジャーとなった再生可能エネルギーの代表格である太陽光発電に比べ、
(一基平均3.5kwh×有効発電3時間が相場、現在総出力80万kw程に成長)
水の流れを利用する為、夜間発電出来る事や天候に左右されにくい事から、
年間稼働時間は5倍から10倍の発電能力を持っているという強みがある。
したがって設置箇所が増えれば増えるほど、
総合的なクリーンエネルギーの増加に貢献できる良い発電方法なのです。
しかし、今まではなかなか普及しなかった。
何故か、その多くの理由は認可されにくいという事だった。
それは河川や用水路には法的な規制や既得権益が複雑に絡み合っていたり
農業、漁業における水利権の問題があるから。
したがって、
今まで日本で発表されているマイクロ水力発電導入が出来た100件程の実例は、
このような簡単とは言えない問題と、
一生懸命向き合って実現した先駆者の方々と言えます。
では、なぜ今、これからなのか?
それは平成14年度に成立したRPS法によって
マイクロ水力発電が「新エネルギー等」と認められた事に始まり、
これから規制緩和が進んでいく気配があるからです。
最近では、農林水産省が農業用水路を活用した「小水力発電」の普及支援に、
2007年度から力を入れ始めました。
~農家だけでなく地域住民らも対象に発電施設の設置・利用ができるよう、
水路の利用許可を得る法手続きを示したマニュアル作成などのため、
来年度予算の概算要求に4000万円を盛り込んだ。
身近な水利施設の利用で地域振興を図るとともに地球温暖化防止に役立てようという狙い。
小水力発電は全国104カ所で導入され計6.5万キロワット(7万世帯相当)を発電、
主にポンプや温室など農業施設の電力を賄っている。
同省は利用を地域住民に広げることで、
さらに8.8万キロワット(9.5万世帯相当)の発電が可能と見込んでいる。~
〈佐賀新聞2006年9月6日〉
これを機にマイクロ水力発電も認可が下りやすくなっていくことでしょう。
いよいよ面白くなってきたわけです。
(写真は開放型上掛け水車の実例。いい味でてます。)
※参考資料
〈NEDO マイクロ水力発電導入ガイドブック〉
〈マイクロ水力発電倶楽部〉
〈North Power〉
〈農林水産省〉